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第18回「再生可能エネルギー」

    環境ショートレポート

    国際的な再生可能エネルギー(以下、「再生エネ」と略記)の推進団体であるREN21が6月3日、世界各国の
    再生エネに関する2013年の実績を「自然エネルギー世界白書2014年版」として発行しました。
    一方、国際エネルギー機関(IEA)は「再生可能エネルギー市場報告」で5年後の2018年での再生エネ導入
    見通しの予測や「世界エネルギー投資予測」と題した2035年までの発電設備の投資動向を発行しております。
     再生エネに関する2013年実績及び将来動向と2国際機関が発行した内容は異なりますが、今後の再生エネに
    ついて纏めてみました。     

    REN21・・・21世紀のための自然エネルギー政策ネットワーク


  • 「自然エネルギー世界白書」の要約(2013年実績)


  • 1. 2013年の再生エネによる発電量

  • 2013年の再生エネによる発電量は8.3%増加して15.6億kwに達し、世界の発電量の22%以上を占めました。
    増加量では再生エネが56%以上を占めております。ちなみに、原子力発電は2%強で推移しております。  


  • 2. 水力発電 

  • 水力発電は4%増加して10億kwに達し、2013年に導入された再生エネでの発電設備容量の約30%強を占めて
    おります。   

    環境レポート

  • 3. 水力以外の再生エネルギー

  • 水力以外の再生エネは17%増加して5.6億kwとなりました。  


  • 4. 太陽光発電

  • 太陽光発電では1億kwから1.38億kwの38%の増加となり、中国や日本が著しい伸びを示しております。(図-1)  


  • 5. 風力発電

  • 風力発電は2.83億kwから3.18億kwに達し、12%の増加となりました。  


  • 6. 再生エネルギーによる投資額

  • 再生エネによる投資額では、中国の542億ドル、米国の330億ドルに次いで日本は286億ドルと世界で第3位と
    なりました。  

    世界の太陽光発電容量(万KW)


  • 「再生可能エネルギー市場報告」の要約(2018年での予測)


  • 再生エネルギーが新興国を中心に急速に成長すると予測しております。
    再生エネルギーでの発電量は2016年にはガス火力を上回り、石炭火力に次ぐ第2のエネルギー源になると
    予測されます。
    再生エネは最も急成長しているエネルギー部門であり、世界の電源構成に占める割合は2011年の20%から
    2018年には25%と予測しております。


  • 「世界エネルギー投資予測」の要約(2035年までの予測)


  • 1. 世界の電力需要

  • 世界の電力需要は2014年から2035年の間に年率2.2%のベースで増加を予測しております。


  • 2. 発電量

  • 発電量は2014年の1.7倍の95.7億kwに拡大すると予測され、56.6億kwの設備が新設され、18.5億kwの設備が廃止されるとしております。


  • 3. 新設する発電設備

  • 新設する発電設備のうち、50%以上を再生エネが占め、残りはガス火力(22%)、石炭(19%)、原子力(5%)となっております。


  • 4. 年間投資額

  • 投資額では年間あたり43兆円となり、6割を再生エネが占め、残りは石炭(16%)、ガス火力及び原子力がそれぞれ11%となっております。(図-2)


  • 5. 日本の投資額

  • 日本では、太陽光発電への投資額が22年間に19兆円であり、原子力の1.2兆円に対して15倍の投資となっております。



  • 6. 世界全体の投資額

  • 再生エネによる投資額では、中国の542億ドル、米国の330億ドルに次いで日本は286億ドルと世界で第3位となりました。

    図-2 2035年までの発電設備への投資予測

    (↑クリックで拡大します)

  • おわりに


  • 今回は二つの国際機関が発行した再生エネに関する報告を纏めてみました。
    今後の再生エネに関する投資額は益々増加する方向と考えられますが、1kwあたりの 発電量に対する
    設備 コストの差が投資額の伸びに影響を及ぼすものと思われます。 化石燃料の中でガス及び石炭火力発電は
    設備 コストの優位性の高い発電設備ですが、地球温暖化への悪影響が更に顕在化した場合、排出し続けるCO2
    の削減対策コストが上乗せされると予測されます。 このような環境では再生エネとガスや石炭火力発電の設備
    コストは近接し、再生エネへの設備投資が更に加速することが考えられます。


    (参考資料)
    ・REN21レポート Renewables Global Futures Report 2013  
    ・IEAレポート   Medium-Term Renewable Energy Market Report
              World Energy Investment Outlook


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