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SDGsの達成に向けて、各国は自国の目標を定め、推進体制 の構築を求めています。日本国内でも、政府や市民社会の間に、SDGs推進体制が広まりつつあり、海外でも多様なパートナーシップの事例が増えつつあります。最近では、SDGsに関連するTV報道やCMも急激に増えており、頻繁に耳にするようになってきました。
SDGsは、環境・経済・社会についての国際社会全体の望ま しい姿・社会の在り方(方向性)を示し、2030年における具体的な目標(ゴール)として描き出したものです。2016年12月に採択された地球温暖化対策としての「パリ協定」と両輪になって、21世紀の国際社会の方向性を示すものとなっています。SDGsの取組は環境問題のみならず国内外の社会全体が抱える課題を17のゴールと169のターゲット(目標)として示しており、その課題解決を通して、組織の在り方、将来像を画き出すツールとして活用できることから、政府及び地方公共団体においても、取組の構築の機運が高まっています
図1:17項目のグローバルな目標(Goals)』
また、欧州の機関投資家を中心に、環境、社会及びガバナンス(ESG)の視点から企業を評価し、投資の可否の意思決定が行われています。日本の企業をESGの視点から評価し、ESGに対する取組が弱い組織は、将来的に社会から取り残される可能性があり、リスクを抱える組織として、投資対象にしないという判断を行っています。この企業活動の評価の対象は上場企業の取引先の組織活動まで評価対象としており、取引先企業の選択にも影響を及ぼしています。
SDGsは経営リスクを回避するとともに、新たなビジネスチャンスを獲得し、持続可能性を追求するためのツールとして注目を集めています。特に、先の見えないアフターコロナの時代の組織の在り方などに大きな影響を及ぼすものと考えられます。
建設業では、今までも地域貢献など様々な活動を実施しています。それらの活動をこのSDGsと関連付けて考えてみることからスタートしてはいかがでしょうか。ほとんどの組織では企業理念や将来ビジョンを有していますが、それらの意図していることを明確にして、社員と認識を合わせるということです。殆どの企業理念は社会への貢献を謳っていますが、具体的にどのような工事を実施しているかを考えると、その工事により何が改善されているのか、そしてそれがSDGsのゴールとどのようなつながりがあるかを確認できます。
2030年は今の若手職員が中心となっている時代です。2030年には組織がどのように変わっていく必要があるか、会社の姿を考え、どうあればよいのか、現在の受注工事を洗い出してみましょう。
現在の工事がSDGsとどのような関連を持っているか確認すること、「自社の活動内容の棚卸を行い、SDGsと紐付けて説明できるか」考えることです。
以下はほんの一例で、〇内はSDGsのテーマ番号です。
分類 | 活動 | SDGsテーマとの関連 |
---|---|---|
河川工事 |
洪水防御 |
7鮃的な生活確保 |
道路工事 |
道路ネットワークの整備 |
8鯆婿故を削減する交通の安全性改善により、持続可能な輸送システムの提供 |
道路ネットワークの整備 |
強靭なインフラ構築、産業化の促進都市部、都市周辺部、 農村部間の良好なつながりを支援する |
|
上下水道工事 |
下水整備 |
水質の改善 |
住宅建設 |
住宅建設業 |
安全で強靱で持続可能な都市及び人間居住 |
どの企業でも取り組んでいる組織活動にもSDGs提示されているターゲット(目標)との関連性があるので、関連性を整理し、具体的な取組目標と達成レベルを検討し、取組の内容を明確にし、持続可能な取組であるか、効果があるかを確認してください。
活動 | SDGsテーマとの関連 |
---|---|
省エネ(アイドリングストップ、省エネ材料の選択 ) |
資源利用効率の向上 |
リサイクル材の仕様 |
資源利用効率の向上 |
ICT 活用 AI 施工技術 |
技術開発・研究・イノベーションを支援 |
内資源の動員を強化、途上国の技術能力育成 |
影盪餮擦瞭旭を強化、途上国の技術能力育成 |
雇用均等(雇用の均等性) |
ソ性及び女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃 |
生産性向上 |
働き甲斐のある職場提供 |
社内研修 |
ざ囘な教育機会の提供 |