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地球温暖化防止には太陽光など再生可能エネルギー(以下、自然エネルギーという)の活用が不可欠です。2011年8月、「自然エネルギー電気買取特措法」が成立し、自然エネルギーの導入が一段と活発化することになります。
今回は、自然エネルギーの中で最も注目される「太陽光発電」についてまとめてみました。
太陽光発電設備は、可動部がないため静かで、維持が容易でしかも長寿命が特徴です。
しかも個人住宅でも発電できるため、国民の環境保全や省エネ・節電意識の改革に大きく貢献できるメリットが考えられます。
今後のエネルギー需要予測
2010年6月に発表された資源エネルギー庁による2050年までの予測CO2排出量を図-1に示します。
予測CO2排出量達成のため、2030年の種類別電力量のあるべき姿を図-2に示します。
発電時にほとんどCO2を排出しない自然エネルギー発電と原子力発電で約70%の電力量を賄うエネルギー政策となっています。
しかし、2011年3月に発生した原子力発電事故でエネルギー政策は大幅な変更が予想されますが、自然エネルギーには追い風となり、政策の後押しも有って設備の導入は益々拡大する方向となります。
図-3は、2009年8月経済産業省が発表した「長期エネルギー需給見通し(再計算)」での各自然エネルギーにおける発電の予測を示したものです。
太陽光発電は他の自然エネルギーに比べ大幅に伸びることが期待され、2005年に比べ2020年で10倍、2030年では約40倍になるシナリオとなっております。
太陽光発電
太陽光発電は、「セル」と呼ばれる素子の太陽電池で構成され、セルを縦横に直結させたソーラーパネル(モジュールとも云う)により直流電気を作る発電です。
1. セル
雨上がりの虹やプリズムを覗いて見た七色の世界の美しさは格別なものがあります。太陽光は七色の組み合わせ、すなわち様
々な波長をもった光の集合体です。
セルは、中に組み込まれた素子が太陽光の中でも強いエネルギーを持つ紫外・紫・青などの領域の光を受ける(光を吸収する)と起電力を発生する、という原理に基づいて技術開発された製品です。
太陽電池の心臓部である素子の材質によって光を電気に変える能力(変換効率)、屋根への荷重に影響するソーラーパネルの仕様、照度の変化による発電性能などが決まるため、太陽電池メーカーは素子の性能向上のため技術開発を競っているのが現状です。
2. 代表的な太陽電池
既に商品化され、今後の伸びが期待される太陽電池の世界需要予測を表-1にまとめてみました。
上表は太陽電池のみの需要予測ですが、この他に、接続箱、直流を交流にする変換器(パワーコンディショナ)、屋内分電盤、電力量計などの付帯機器が必要ですので、この分野の需要も拡大していくことになります。
太陽光発電の今後
図-3に示した太陽光発電は、住宅用で2020年320万戸、2030年で1,000万戸というシナ
リオを描いております。2050年には全住宅(4,200万戸を想定)の75%で設置されるとする文献もあり、まず住宅用で先行し、次第に公共機関や民生用産業などに展開すると予測されます。
地球温暖化防止という目標に向け、CO2などの温室効果ガスを削減する方策として太陽光などの自然エネルギー発電の導入は加速されますが、これに伴い電力の地産地消化、スマートグリッドにみられる送配電電力網の再構築、エコタウン、スマートシティ―といった社会インフラシステムそのものの変革が間近に迫っていると予感されます。
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