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2002年に制定された「RoHS(ローズ、またはロース)指令」が2011年7月改正されました。
RoHS指令は、人や環境への悪影響を防止するため、EU域内で流通する電気・電子機器に特定の有害物質の使用を制限するEU指令です。
RoHS指令は、電気・電子機器のリサイクルを容易にし、廃棄処分された場合の人や環境への悪影響を防止する「WEEE指令」と極めて密接な関係があります。
今回は、改正RoHS指令の主な変更点を中心にまとめてみました。
改正RoHS指令の変更ポイント
改正RoHS指令の主な変更点は下記の4項目です。
1) 対象製品群(カテゴリー)の追加・拡大
(10製品群→11製品群)
2) 「適合宣言書・CEマーク貼付」の義務化
3) 追加すべき有害物質候補の提示
4) 適用除外項目の追加および有効期限の設定
1. 改正RoHS指令の変更ポイント
これまでのRoHS指令は、WEEE指令の適用範囲である10製品群のうち、第8製品群 (医療用機器)と9(監視・制御機器)が対象外でした。
改正後は第8及び9製品群も対象となり、10製品群以外の電気・電子機器が第11製品群として追加されました。
これにより、一部の適用除外を除いて全ての電気・電子機器が対象となりました。
2. 適合宣言書・CEマーク貼付の義務化
これまでのRoHS指令では、安全性・品質に関するCEマーク貼付の対象ではありませんでした。
今回の改正で、製造者や第三者認証機関は、対象製品に対して「ニューアプローチ指令」が規定する安全性・品質に関する必須要件への適合性評価を実施し、製造者が適合を宣言して製品にCEマークを貼付することになります。
すなわち、EU域内に対象製品を輸出している製造者は、適合宣言書とCEマークの貼付が義務付けられることになります。
3. 追加すべき有害物質候補の提示
制限物質である、鉛、水銀、カドミウム、6価クロム、ポリ臭化ビフェニル、ポリ臭化ジフェニルエーテルの6物質は変更されておりません。
今改正では、追加すべき有害物質候補としてヘキサブロモシクロドデカン、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジブチルの4物質が示されました。
4. 適用除外項目の追加および有効期限の設定
RoHS指令では、技術的に制限6物質の代替が困難な場合、例外的にその使用を認めるため適用除外項目を定めております。
改正前は全製品群共通の適用除外項目を纏めて規定していましたが、改正で全製品群共通の適用除外項目(付属書)と第8、9製品群の適用除外項目(付属書)に2分類されました。
新たに適用除外項目の有効期限も見直され、付属書靴両豺腓5年、付属書犬7年とされました。
また、適用除外項目の更新ルールも明文化されています。
RoHS指令対象製品の適用開始時期
製品群によって適用開始時期が異なりますので注意する必要があります。
再生可能エネルギー関連製品について
EUの主要政策に地球温暖化防止のための温室効果ガス削減があります。
EUの主要政策のため、改正RoHS指令は再生可能エネルギー(自然エネルギー)の開発を妨げないとする方針といわれ、ソーラーパネルなどの自然エネルギー関連製品は除外されるといわれております。
おわりに
日本の製造業の中心である電気・電子製品はEU域内をはじめ世界各国に輸出されております。
今回はEU域内が対象の改正RoHS指令を取り上げてみましたが、同様な規制は「中国版RoHS」、「韓国版RoHS」、「米国カリフォルニア版RoHS」で施行されております。
規制の対象となる電気・電子製品は異なりますが、制限6物質はほぼ同じです。
各国のRoHS法は人や環境への悪影響防止が基本ですので 、様々な化学物質の調査が拡大するに従い制限物質は更に増える方向にあると考えられます。
(参考) |